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生産システム合理化指針

印刷用ページを表示する掲載日:2016年9月28日更新

3.建設工事における生産システム合理化指針について

第1 趣旨 

大分県が発注する建設工事は、公共工事のもつ性格からして適正な施工、効率的な生産システムが要請され、さらにその工事を通じて健全な建設業の発展を図るという社会的要請も併せもっています。 さて、現在建設工事の生産活動は、総合的管理監督機能(県から直接建設工事を請け負って企画力、技術力等総合力を発揮してその管理監督を行う機能)と、直接施工機能(専門的技術を発揮して工事施工を担当する機能)とが、それぞれ相互に組み合わされて行う方式が基本となっています。
これらの機能を軸とした分業関係を基本とする建設生産システムの下、基幹産業としての活力に溢れた建設産業の実現を図るとともに、県の信頼に応えうる適正かつ効率的な建設生産を確保するためには、すべての建設業者が技術と経営に優れた企業への成長を目指しつつ、その分野において、役割に応じた責任を的確に果たすことが不可欠であります。 この指針は、建設省で定めた建設産業における生産システム合理化指針を基本としながら大分県が発注する建設工事を施工するにあたって総合的管理監督機能を担う総合工事業者と直接施工機能をに担う専門工事業者が、それぞれ対等の協力者として、その負うべき役割と責任を明確にするとともに、それに対応した建設工事における生産システムの在り方を示したものであります。これは、建設生産システムの合理化を進める上での県による指導の指針であり、建設業者の取組の指針となるべきものであります。

第2 定義

 この指針では、下請契約における当事者を次のように呼んでいます。

定義
  • Aは「県から直接建設工事を請け負った建設業者です」
  • AとBの間の下請契約では、Aは「注文者」で、Bは「受注者」です。
  • 同様にBとCの間の下請契約では、Bは「注文者」で、Cは「受注者」となります。

第3 総合工事業者の役割と責任

総合工事業者は、総合的管理監督機能を担っており、県に対して契約に基づき、工事完成についてのすべての責任を持つとともに、県との間で行う請負価格、工期の決定等は、専門工事業者の経営にも大きな影響をもたらします。 このため総合工事業者は、次の責任を果たさなければなりません。

経営計画の策定、財務管理及び原価管理の徹底等的確な経営管理を行いうる能力の向上に努めること。また、常に合理的な請負価格、工期による受注に努めるとともに、専門工事業者への発注に当たっては、請負価格、工期、請負代金支払等の面で、適正な契約を締結すること。

業者・工程間の総合的な施工管理を的確に行うため、技術者に対する研修の充実等により、管理監督機能の向上に努めること。 また、効率的かつ高度な建設生産を確保するため、技術開発の推進、施工の合理化に努めること。

優良な専門工事業者の選定を行うため、専門工事業者の施工能力、経営管理能力等を的確に把握し評価できる体制の確立に努めること。

優秀な建設労働者を確保するため、労働時間の短縮、休日の確保、労働福祉の充実、安全の確保及び作業環境の整備等に努めること。

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第4 専門工事業者の役割と責任

専門工事業者は、直接施工機能を担っており、建設生産物の品質、原価に対し実質的に大きな影響を与えます。また、近年その役割は増大しており、特に、専門的技術・技能を有する建設労働者を直接に雇用する等の点で、今後の建設産業の発展に大きな役割を有しています。
このため、専門工事業者は次の責任を果たさなければなりません。

教育訓練等の充実や、技術・技能資格等の取得の奨励等により、施工能力及び経営管理能力を向上させるとともに、常に合理的な契約条件による受注に努め、企業基盤の強化に努めること

専門工事業者の役割の高度化という要請に応え、分担する工事分野において、直接施工のみならず 施工管理をも自ら行いうる体制の確立に努めるとともに、各々の能力に応じて部分一式等多様な業種・工程を担うことができるよう努めること。

優秀な建設労働者を確保するため、直用化の推進等による雇用の安定、月給制の拡大、職能給の導入、労働時間の短縮、休日の確保、労働福祉の充実、安全の確保及び作業環境の整備等に努めること。

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第5 適正な契約の締結

 (1)契約締結の在り方

県発注の建設工事の施工における総合工事業者と専門工事業者が対等な経済主体としての適正な契約関係を確保するためには、次のことを守らなければなりません。 また、建設工事の内容等の変更、追加の際においても同様であります。

建設工事の開始に先だって、建設工事標準下請契約約款又はこれに準拠した内容を持つ契約書等の書面による契約を締結すること。

契約の当事者は対等な立場で十分協議の上、施工責任範囲及び施工条件を明確にするとともに、適正な工期及び工程を設定すること。

請負価格は契約内容達成の対価であるとの認識の下に、施工責任範囲、工事の難易度、施工条件等を反映した合理的なものとすること。 また、消費税相当分を計上すること。

請負価格の決定は、見積及び協議を行う等の適正な手順によること。

下請契約の締結後、正当な理由がないのに、請負価格を減じないこと。

(2)代金支払等の適正化

下請契約における注文者からその契約における受注者に対する請負契約代金の支払時期及び方法等については、建設業法に規定する下請契約に関する事項のほか、次のことを守らなければなりません。 なお、資材業者、建設機械又は仮設機材の賃貸業者等についても同様であります。

請負代金の支払は、請求書提出締切日から支払日(手形の場合は手形振出日)までの期間をできる限り短くすること。

請負代金の支払は、できる限り現金払とし、現金払と手形払を併用する場合であっても、支払代金に占める現金の比率を高めるとともに、少なくとも労務費相当分については、現金払とすること。

手形期間は、120日以内で、できる限り短い期間とすること。

前払金の支払を受けたときは、受注者に対して資材の購入、建設労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう、適切な配慮をすること。特に、県発注工事においては、県からの前金払は現金でなされるので、企業の規模にかかわらず前金払制度の趣旨を踏まえ、受注者にたいして相当する額を、速やかに現金で前金払するよう十分配慮すること。

建設工事に必要な資材をその建設工事の注文者自身から購入させる場合は、正当な理由がないのに、その建設工事の請負代金の支払期日前に、資材の代金を支払わせないこと。

(3)県は、発注した工事の施工にあたって、必要が認められる場合は、大分県公共工事請負契約約款第7条の規定に基づき、その工事の下請状況について必要な事項の通知を求めるものとする。

(4)県は、前項の通知を求めた結果、この指針に反すると認められる事実がある場合は、県から直接工事を請け負った総合工事業者に対し、必要な指導勧告又は措置等を行うものとする。

第6 適正な施工体制の確立

(1)施工体制の把握

建設業法に基づく適正な施工体制の確保等を図るため、県から直接建設工事を請け負った建設業者は、施工体制台帳を整備すること等により、的確に建設工事の施工体制を把握しなければなりません。 ここでいう施工体制台帳とは、次の[1]~[3]からなるものです。

[1]

県から直接建設工事を請け負った建設業者において作成する「下請契約台帳」(様式)

[2]

受注者が再下請に出す場合に作成し、県から直接建設工事を請け負った建設業者(数次に渡る場合には、順次注文者を経由して県から直接建設工事を請け負った建設業者へ)提出する「再下請契約届出書」(様式2)

[3]

県から直接建設工事を請け負った建設業者が作成するとともに、工事現場に掲示する「施工体系図」(様式3)  

これらは、請負代金の額が建築一式工事にあっては、4,500万円以上、その他の工事にあっては3,000万円以上の場合について整備しなければなりません。
施工体制台帳の仕組み

(2)一括下請禁止等

一括下請は、中間において不合理な利潤がとられ、これがひいては建設工事の質の低下、受注者の労働条件の悪化を招くおそれがあること、実際の建設工事施工上の責任の所在を不明確にすること、県の信頼に反するものであること等種々の弊害を有するので、建設業法において原則として禁止されています。ただし、特別な理由がある場合であって、県から書面による承諾を得た場合は、認められますが、県としても極力避けることにしています。(別紙[1]参照)

不必要な重層下請は、同様に種々の弊害を有するので行わないようにしましょう。

(3)技術者の適正な配置

建設工事を請け負った建設業者は、その工事での工程管理、品質管理、安全管理等が的確に行われるよう、適切な資格、技術力等を有する技術者等を適正に配置しなければいけません。特に指定建設業管理技術者資格者証制度を遵守しなければいけません。

建設業者が工事現場ごとに設置する専任の技術者については、常時継続的にその現場で職務に従事し、その建設業者と直積的かつ恒常的な雇用関係にある人でなければいけません。

(4)適正な評価に基づく受注者の選定

下請契約において注文者が受注者を選定するにあたっては、その建設工事の施工に関し建設業法の規定を満たすものであることはもとより、

 ア.施工能力

 イ.経営管理能力

 ウ.雇用管理及び労働安全衛生管理の状況

 エ.労働福祉の状況

 オ.関係企業との取引の状況

等を的確に評価し、優良な業者を選定しなければいけません。

このような場合においては、少なくとも次に掲げる事項のすべてが満たされるよう留意してください。

1

過去における工事成績が優良であること。

2

その建設工事を施工するに足りる技術力を有すること。

3

その建設工事を施工するに足りる労働力を確保できると認められること。

4

その建設工事を施工するに足りる機械器具を確保できると認められること。

5

その建設工事を施工するに足りる法定資格者を確保できると認められること。

6

財務内容が良好で、経営が不安定であると認められないこと。

7

建設事業を行う事業場ごとに雇用管理責任者が任命されているとともに、労働条件が適正であると認められること。

8

一の事業場に常に10人以上の建設労働者が使用している者にあっては、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出ていること。

9

建設労働者の募集は適法に行うことはもとより、出入国管理及び難民認定法に違反して不法に外国人を就労させるおそれがないと認められること。

10

過去において労働災害をしばしば起こしていないこと。

11

賃金不払を起こすおそれがないと認められること。

12

現に事業の附属寄宿舎に建設労働者が居住している場合においては、寄宿舎規則を作成し、労働基準監督署に届け出ていること。

13

取引先企業に対する代金不払を起こすおそれがないと認められること。

 -

第7 建設労働者の雇用条件等の改善

建設業者は、建設労働者の雇用・労働条件の改善等を図るため、安定的な雇用関係の確立や建設労働者の収入の安定を図りつつ、少なくとも次に掲げる事項について措置するようにしてください。

<雇用・労働条件の改善>

1

建設労働者の雇入に当たっては、適正な労働条件を設定するとともに、労働条件を明示し、雇用に関する文書の交付を行うこと。

2

適正な就業規則の作成に努めること。この場合、一の事業場に常時10人以上の建設労働者を使用する者にあっては、必ず就業規則を作成の上、労働基準監督署に届け出ること。

3

賃金は毎月一回以上一定日に通貨でその金額を直接、建設労働者に支払うこと。

4

建設労働者名簿及び賃金台帳を適正に調整すること。

5

労働時間管理を適正に行うこと。この場合、労働時間の短縮や休日の確保には十分配慮すること。

<安全・衛生の確保>

6

労働安全衛生法に従う等建設工事を安全に施工すること。特に、新たに雇用した建設労働者作業内容を変更した建設労働者、危険又は有害な作業を行う建設労働者、新たに雇用した職長等建設労働者を直接指揮監督する職務についた者等に対する安全衛星教育を実施すること。

7

災害が発生した場合は、当該下請契約における注文者及び県から直接建設工事を請け負った建設業者に報告すること。

8

雇用保険、健康保険及び厚生年金保険に加入し、保険料を適正に納付すること。なお、健康保険又は厚生年金保険の適用を受けない建設労働者に対しても、国民健康保険又は国民年金に加入するよう指導に努めること。

9

任意の労災補償制度に加入する等労働者災害補償に遺漏のないよう努めること。

10

建設業退職金共済組合に加入する等退職金制度を確立するとともに、厚生年金基金の加入にも努めること。なお、厚生年金基金の加入対象とならない建設労働者に対しても、国民年金基金に加入するよう努めること。

11

自らが使用するすべての建設労働者に対し、健康診断を行うよう努めること。特に、常時使用する建設労働者に対しては、雇入れ時及び定期の健康診断を必ず行うこと。

<福利厚生施設の整備>

12

建設労働者のための宿舎を整備するに当たっては、その良好な居住環境の確保に努めること。この場合、労働基準法における寄宿舎に関する規定を遵守すること。

13

建設現場における快適な労働環境の実現を図るため、現場福利施設(食堂、休憩室、更衣室洗面所、浴室及びシャワー室等)の整備に努めること。特に、県から直接建設工事を請け負った建設業者は、これに努めること。

<技術及び技能の向上>

14

建設労働者の能力の開発及び向上のため、技術及び技能の研修・教育訓練に努めること。

<適正な雇用管理>

15

雇用管理責任者を任命し、その者の雇用管理に関する知識の習得及び向上を図るよう努めること。

16

建設労働者の募集は適法に行うこと。

17

出入国管理及び難民認定法に違反して不法に外国人を就労させないこと。

<その他>

18

前各号に定める事項のほか、建設業法施行令第7条の3各号に規定する法令を遵守すること。

また、県から直接工事を請け負った建設業者は、建設労働者の雇用の改善等に関する法律及び労働安全衛生法の遵守、労働者災害補償保険法に係る保険料の適正な納付、適正な工程管理の実施等の措置を講じるとともに、その建設工事におけるすべての受注者に対し、これらの事項が措置されるよう必要な指導、助言その他の援助を行うと共に、他の受注者もこれに協力しなければなりません。

第8 遵守のための体制づくり

  1. 建設業者は、この指針を役職員に周知するよう努めなければいけません。特に、総合工事業者にあっては建設生産システムの合理化を積極的に推進する体制の整備・拡充に努めるとともに、その請け負った建設工事におけるすべての建設業者に対して本指針の第5条第6の遵守についての指導に努めなければなりません。
  2. 建設業者団体においても本指針の会員への周知に努めると共に、本指針遵守のための体制を確立するようにしなければなりません。
  3. この指針に基づいて真に合理的な建設生産システムを確立するためには、建設業者団体が主体となって、総合工事業者と専門工事業者が対等の立場に立って協議を行う場を設け、適正な契約関係の形成のためのルール、建設労働者の雇用・労働条件等の改善及び技術・技能の向上にかかる役割分担に関するルール等を確立する必要があります。

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